ここまで来るとは真面目な話、思わなかった。
語る言葉も見つからない、7連敗である。

出来れば師匠の万風老師とひざ詰めで話をしたいのだが、予想が絶好調ということで来週もチャンピオンズカップを担当するらしい万風老師。なかなか私とひざ詰めで話をするような時間が取れないらしい。

フラフラしていたら、いつのまにか花丸和尚の寺の前にいた。先週は、花丸和尚に呼ばれて来たので良かったが、名実共に何の手土産も持たずに来た今日は、流石に入り辛かった。

何の衒いもなくこの寺に行き来していた、ほんの数週間前が随分昔のことのように思えた。

今日は帰ろうと、帰路を歩き始めた所で、買い物から帰ってくるミキサンの姿が遠くに見えて、思わず道端の木陰に身を隠してしまった。ミキサンが私の前を通り過ぎるまでのほんの数分が、永遠に続くかのように長い時間に感じた。

「こんなんじゃ、ダメだ」
そう、こんなんじゃダメなんだ。

その時、寺の山門に入る直前でミキサンが振り向いた。そして、空を見上げてこう叫んだ。

「バカヤロー!」

そう一言叫んだミキさんは走るように山門をくぐって寺に入ってしまった。
その声に心臓を鷲掴みされた私は、その場で硬直して暫くの間、動けなくなった。

7連敗。

それでも、ミキさんは待っていてくれている。
「バカヤロー」にはそんな温かくて、優しくて、包み込むような愛情に溢れていた。

だからこそ。だからこそ私は、自力で結果を出さなくてはならないんだと、思い知る。
誰に頼るのではなく、自分自身の力で。

今週末が、その最後のチャンスかも知れない。
しかし、明けない夜はない。間違いなく夜は明けるのだと信じられる。

私は寺に向かって一礼をすると、暗くなりかけた山道を駆け出した。(了)


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